FEEL LOVE 7

d0073690_23342627.jpg書店員のくせに、文芸書担当のくせに、定期的に且つ継続的に文芸誌を一つも読んでいない。。。どうなの?それって。
っと勝手に自問自答して、何か読み始めようかなぁ・・・なんて思いつつ、自分の店の文芸誌のところで雑誌を手に取り、立ち読みしていたらどうしても気になってしまった。

「FEEL LOVE」

1号の頃、結構話題になって売行きも良かったのを覚えている。
正確には月刊誌ではなくムックだが、季刊誌と同じスパンで発売にもなるし、読切恋愛小説誌と謳っているし、これは文芸誌だろう。
表紙も綺麗だし(← 文芸書担当とは思えない発言)。

ただ、今回ボクが気になったのは、実は文芸誌としてのFEEL LOVEではなく、角田光代のエッセイ「旅と日常」なのだ。元々旅が好きで、日常というワードは映画を見るにしても、小説を読むにしても自分の中でリアリティと同列で重要な語句。ふと気になって立ち読みしたら、いやぁすごい。

ボクの中で、長年ぼんやりとしていたことが見事にスッキリと言葉で表現されていた。

旅と放浪(トラベルとジャーニー)の精神的な違い。
旅をすると、必ずと言ってよいほど「あぁ、こんな楽しくて素敵な時間がずーっと続けばいいのに」と思ってしまう。そして、放浪の旅に憧れ非日常へと飛び出したくなる。しかし、角田光代はこう言う。


「旅は生活の対極だが、放浪はすでに生活であるということだ」
「帰るから旅だ。帰る理由と帰る場所があるから、旅は旅となり得るのだ」と。


つまり、放浪はその当人にとって見れば、確実な日常なのだ。
むしろ毎日の生活の間に、ひょっこりと生み出された数日間の旅こそ、非日常なのかもしれない。
そう考えると、終わりのない旅などなく、もしあるのだとしたら、それは新たな日常との錯覚なのだ。
日常から逃れるように、「ここではない何処か」へと想いを抱いても、それはなんら代わりのない
新しい日常の始まりに過ぎないのだなぁ、と。。。

今ある毎日をありがたく、楽しく過ごして、日常をしっかりと受け止め、受け入れ、そして
奥さまとオチビさんと一緒に新たな旅に早く出たいものです。
そんなことを考えました。

角田光代の小説を久しぶりに読んでみようと、そう思います。
[PR]
by pilotfish73 | 2009-09-25 23:54 | 雑記


<< くだもの やっちゃった。 >>