哄う合戦屋

d0073690_23381184.jpg時代小説が熱い。
一昨年の冬に和田竜の「のぼうの城」が出たあとから、公然と時代小説の新しいムーブメントが沸き起こっている。
どうやら、これらは総称して「ネオ時代小説」というらしい・・・。
そのNeo時代小説に新たな大型新人作家が一人加わった。

#24 哄う合戦屋
双葉社  北沢秋

版元営業のYさんの熱い営業トークにより、発売前からとても読みたくなった本だった。
表紙も、のぼうを意識してかカバーイラストに漫画家の志村貴子さん。内容もひょっとして、のぼうのようにエンターテイメント性を第一に、結構ざっくりいくのかと思いきや、以外に地味で渋い。営業のYさんに送っていただいた本、一気に読みました。

今全国の書店でこの「哄う合戦屋」はプッシュされていると思いますが、これは読んだらプッシュしたくなる。パワープッシュしたくなる。

内政に定評のある中信濃の豪族、遠藤吉弘の元に、合戦屋・石堂一徹が自分の夢を託し仕える。そして、吉弘の娘、若菜と心を通わせ、相次ぐ合戦で中信濃における遠藤家の地位を大きなものとし、遂には武田晴信と対峙する。

大げさな表現、展開をそぎ落とし、坦々としているようで、根底に芯が一本ぴんと通っているような文章は、まるで主人公の石堂一徹そのもののようだ。

ついには、ただの合戦屋なのだ。
やがて、主人・吉弘との強固な信頼関係も揺らぎ、不穏な状況が漂う。
嫉妬、ねたみ、男同士の信頼は、いつもどうしようも無い感情に邪魔される。

切ないが、潔い。
また一人、次回作が楽しみな作家が増えました。
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by pilotfish73 | 2009-11-28 01:06 | 仕掛けどうでしょう。


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