J STYLE BOOKS

d0073690_20134796.jpgさて、第2回東京本屋めぐりの5店舗目です。本当は前回のCOW BOOKS後に2店舗巡って、最後に訪れたJ STYLE BOOKSですが、この本屋回遊記記念すべき!?第50回として、どうしてもこのJ STYLE BOOKSを紹介したかったのです。
何だか第30回の福岡天神ブックスキューブリックの回と同じ始まりですが、やっぱり節目には素敵な書店を紹介したくなっちゃうのだ。

#50 J STYLE BOOKS
東京都12
東京都渋谷区神宮前2丁目31−8
メイハウスビル1F
03-3402-7477

前回の第1回東京書店めぐりが終了後、取次から送られてきた月刊書店経営を見て「おぅっ!!」と唸った。永江朗さん連載の「この書店のここがスゴい!」でJ STYLE BOOKSが取り上げられていたのだ。何で東京に行く前にこの書店の情報を知らなかったのだと、東京から帰ってきたばかりなのに、すぐにも見に行きたくなってしまったのだ。
そんなワケで、今回の第2回東京書店めぐりを計画した時には、絶対にはずせない書店として1番最初にピックアップした。

会社の夏休み4連休を利用して福岡へ行って来たのはもう半年前。
最終日にブックスキューブリックという素晴らしい書店に出会った後、浜松に帰ってきたボクは、ある意味大いに仕事に熱中し、そしてある意味心のどこかに何とも言い難い疑問を抱えていた。それは、書店人としての自分を刺激するものでもあり、焦らせるものでもあったのだと思う。そして、その後社内の人事異動で望まないポストへと異動し、本というコンテンツのみに集中できない立場へと変わり、書店業に集中できる環境を切望した。

そしてその後は、それまでより忙しくなったため、書店巡りも今までのようには出来なくなり、行ってもどこか楽しめない、心ここにあらずな感じだった。

そんな中、やっと巡ってきたお正月休みを利用して、奥さんの実家に帰省するなか、1日を東京書店巡りに費やすことに決めた。ずーっと見たかった書店、J STYLE BOOKSを見たら何か自分の中で変わるかもしれない、何か見付かるかもしれないと思った。


6店舗を見終わって久しぶりの東京と、浜松では見ることのないタイプの書店を見ることができて、かなり気分はリフレッシュ。途中COW BOOKSを見たあとに奥さんは一旦取引先に顔を出すため別行動。ボクはその間に2店舗を巡って、さぁ、最後はJ STYLE BOOKSだ、と意気込む。合流した奥さんが、隣でなぜかボクと同じテンションでワクワクしている。

少し薄暗くなったきた裏原宿の静かな裏路地にJ STYLE BOOKSはあった。
外観を見て、気持ちがよりいっそう高ぶる。
う~ん、いいぞいいぞ。
敷居が高すぎない洗練されたスタイリッシュさだ。

入口を開けて2~3段の段差を降りると、正面に雑誌を多く面陳出来る島什器が2つ。その雑誌棚をぐるりと囲む形で書棚が設置されている。店内のライトはスポットの間接照明だが、これが随分明るい為、店内全体は気持ちのよい明るさだ。そして、ボクが訪れた時は、程よい音量でJazzyなHipHopがかかっていた。こんなに嫌味なく洗練された空間を作れる秘訣は何なのか?入店直後から、書棚・照明・BGMを含めてJ STYLE BOOKSの空間にドップリとはまった。

ゆっくりと棚を見て回ると、すぐに一つの特徴に気が付く。
それは、EspuireやPENといった雑誌のバックナンバーの取り扱い方。これは画期的だ。なぜなら、今までバックナンバーといえばそれは同じ雑誌を一まとめにし、バックナンバーあります的な扱いでしかなかったのだが、ここJ STYLE BOOKSでは各雑誌の特集によって、まるでイチ書籍のように各ジャンルの棚に置かれているのだ。

PENで集合住宅の特集が組まれていればその号は建築の棚へ、オランダアートの特集であればアート・デザインの棚へ、Esquireでイタリアの特集が組まれていればそれは旅行の棚へといった風に、各特集によって廃れることなく活きた情報として違和感なく棚に並んでいるのだ。なんで今までここに着目して棚を作る新刊書店が無かったのだろうか。確かに返品のことを考えると管理が煩雑で面倒なことは確かだが、イチ客としてみた時これほど雑誌が魅力的に並んでいる棚は今までに見たことが無かった。

雑誌の画期的な取り扱いに、おぅおぅ、素晴らしいぞ!と唸りながら棚を見ていると、奥さんは既に本を1冊手に持っている。なんだ、おい。ボクより先に購入本を選んでいやがるxxx。チラッと見た奥さんの顔はすごく楽しそう。
そう、キューブリックで一緒に棚を見ていたときの様に真剣に棚を見て、差しで棚に入っている本を1冊1冊丹念に取り出してはページをめくっている。わかるぞわかるぞ、その気持ち。

結局1時間以上棚をみて回り合計3冊の本を持ってレジへ行こうとしたら、奥さんが「お店の人に声をかけなさいよ」と、命令と言わんばかりの口調で言う。
そう、この本屋回遊記#30で紹介したブックスキューブリックの店主さんから、「次回はお話したいので声をかけてください」と先日コメントをいただいたのだ。本当はキューブリックのときも奥さんから「お店の人に声をかけてみなさい」と言われていたのだが、元来人見知りの激しい性分の為、そのときは断念したのだ。

そして今回。
オソルオソル本をレジに持っていって、会計をしてもらっている間にドキドキしながら、遂に声をかけてみてしまった。

「コチラはオープンしてどのくらい経つのですか?」(ボク)
(本当は06年3月3日オープンと知っているのに、緊張のあまりそんなことを聞いてしまった)
「ちょうど1年前です」(店主さん)
(ニコリと)

まず第一段階をクリアし、少し安心したボクは自分の素性を明かそうと、

「ボク静岡県の浜松で書店員をやっておりまして・・・」(ボク)
「あ、ブログ書かれていますよね!」(店主さん)

撃沈xxx。
その瞬間ボクの頭の中は真っ白。
色々とお聞きしたかったことも全てとんでしまった。
なぜだ、なぜシッテイルノダ。
シマッタ。
どこかかくれるところ・・・。
とワケのわからない思考に陥っているところへ、奥さまが。

中々正気を取り戻せないボクに気が付いた奥さんが、店主の大久保さんへボクの聞きたかったことを色々と質問し、大久保さんも気さくに色々と答えてくれる。少したっても変な汗は俄然背中を伝っているのだが、店主大久保さんの人柄もあって次第に正気を取り戻したボクも色々と聞いてみる。特に印象的だったのは、容易に想像できる大久保さんの前職の高い収入(下世話ですみません)を捨ててまで書店を開いた理由だ。

「何か、文化・社会貢献をしたかった」

こんなにストレートに響いた言葉は今まで無かった。
そして、無性に嬉しかった。こんな思いで書店をやっている方がやっぱりいるのだと。
そう、細部は色々と違うのかもしれないが、ボクも全く同じ思いで書店人であるからだ。

このJ STYLE BOOKSは店主大久保さんのそんな気持ちが全面に現れた書店だった。
棚の1冊1冊からビンビンと伝わる思いは、それだったのだと。。。
全ての本屋さん好きの人に見てもらいたい本屋さんでした。


そうそう、大久保さんにキューブリックに訪れたことを話したら、なんとJ STYLE BOOKS立ち上げの際に、大久保さんも福岡へ飛びキューブリック店主の大井さんに色々と教えてもらったそうです。
「書店の経験がないので、大井さんが唯一の師匠です」とおっしゃっていました。
あぁ。やっぱり繋がっていたんだー、と妙に納得しました。

今回、J STYLE BOOKSへ行ってお店を見て、店主大久保さんとお話できて良かった。
ボクは今ある環境で出来ることを、自分の将来のためになると信じて必死でやろうと。
そして、書店人である誇りを持って飽くなき探究心を持ち続けようと、改めて思いました。

気さくにお話をしていただきありがとうございました。
また本屋めぐりで東京へ行った際には、お邪魔させてください。

J STYLE BOOKS

J STYLE BOOKS
[PR]
by pilotfish73 | 2007-03-21 01:40 | 本屋回遊記


<< リブロ青山店 COW BOOKS 南青山 >>