さわや書店本店

d0073690_23223181.jpg本屋回遊記第1の衝撃波福岡天神キューブリック、第2の衝撃波東京神宮J STYLE BOOKS、そしてやって来た本屋回遊記第3の衝撃波は、北の雄・岩手盛岡さわや書店本店だ。

#70 さわや書店本店
岩手 1
岩手県盛岡市大通2丁目2-15
019-653-4411

今回の本屋回遊記東北ツアーは、このさわや書店を見に行くために計画を立てた。もっと言えば、さわや書店本店店長、伊藤さんに会うためだ。書店業界でこの人を知らない人はいないのではないだろうか・・・、と言えるほど名の通った方だ。
今回は、初めて事前に浜松から電話をし、アポイントをとってから現地に向かった。

と、まぁ簡単にアポイントをとったなどと言っておりますが、ボクは極度の人見知り。話し掛けられるのはまだよいが、こちらからというのは大の苦手。結局電話を掛けるまでに1週間かかったxxxx。「アホかおれは」と思うほどの小心者。アポイント取る為メモに台詞まで書いたのに、途中をとばして、仕舞いには何を言っているのかわからない始末。う~ん、社会人として大丈夫なのかボクはxxx。でも気さくな伊藤店長のおかげで、何とかお話をさせていただく時間をもらえることになった。。。緊張するぜぃ。

d0073690_195986.jpgさてさて、角館を11時前に出発した我々が盛岡に到着したのは12時前。ホームに降り立ち、まず目に入ったのがこれ。

さすが盛岡。
宮沢賢治の故郷だ。

「いわて銀河鉄道線」ですよ。
ボクは知らなかったのですが、これ有名なのかな?

さぁ、駅を出てさわや書店に早速向かおうとしたが、駅中に同じさわや書店フェザン店を発見。ちょっとだけ覗いていこうと思ったのだが、ちょっと覗く程度では全く物足りない売場と即座に判断し、ここは明日じっくり見ることにしようと決断。後ろ髪引かれながら歩いてさわや書店本店を目指す。

d0073690_23421091.jpg昨日の角館とは打って変わって快晴。都会のすぐ近くに素敵な山野が広がる盛岡。川の水も綺麗だ。う~ん、なんて美しい町なのだろう。盛岡って素敵なところですね。駅を出て歩いているだけで、都会と自然の共存している感じにとても魅力を感じる。ボクの義理の姉が盛岡出身なのだが、そんな身近な人の出身地でありながら、とても遠い存在であった盛岡の町を、今奥さんと一緒に歩いて町を体感し、その素晴らしさを身をもって感じとることができる。やはり、初めての街はこうして自分の足で歩いてみるものですね。

さてさて、駅から歩いて約15分ほどでさわや書店のある繁華街へ到着。まずはホテルにて荷物を預かってもらい、再度繁華街へ出て簡単な食事を取る。さぁ、いよいよだ。1時半にさわや書店本店へ到着し、お客さんが途切れたのを見てすかさずレジの方に声をかける。緊張のあまり、手に持っているお土産のうなぎパイの紙袋が揺れる。あぁ~情けないxxx。

「わ、ワたくシぃ・・・、浜松からやってきましたぁ・・・からすやまといいました・・・、ん?え~、伊藤店長にアポイントをとてアリアリxxx」あぁ、もう。なんだこれ。

でも、とりあえず通じてレジの方もニコリと(イヤ、何だこのアホって思ったのかも・・・)微笑んで、「少々お待ちください」と伊藤さんを呼びに行ってくれた。

すぐに伊藤店長が現われ、すかさず挨拶。今度はしっかりと出来たぞ。
少し、立ち話をしたあと、伊藤店長が「折角遠いところ来てくれたのでどうぞ」と、2階に併設されている喫茶店へと案内してくださる。そこで、コーヒーを飲みながらお話を聞いた。たくさん。もったいないくらいに。東京の山下書店時代のことからさわや書店に来てからと現在のこと、何をどのように売って、売上がどのように変化していったのか・・・などなど、実に6時間半も時間をとっていただいたのだ。本当に感謝感激!!

お話を聞いて、まずボクが感じたこと。
あぁ、ボクがPCエンジニアをやっていた頃に思い描いていた書店員というのはまさにこういう仕事だ、ということ。プロの書店員というのはこういう方のことを言うのだと。痛感した。
そして、あぁなんて自分は甘かったのだろう、未熟なのだろうということ。

とにかく、伊藤店長がおっしゃっていたのは「本を読まない書店員はダメ」。
そんな伊藤店長は毎日朝4時に起きて本を1冊読んでから出社するのだそうだ。
1ヶ月に読む本は30冊~60冊!!(rakra.2007.1月号より)。
おぅおぅ、60冊ですよ。みなさん。
ボクは、先月1ヶ月に17冊読んで大満足していたのですが、あまあまでっせ。
そして、120坪のさわや書店本店で伊藤店長は3千万の売上を6千万に伸ばしたのだそうだ(論座2007.4月号より)。・・・120坪でろっ、六千万ですと!地方郊外店だとその売上自体も想像しにくいのですが、何よりも売上を倍にするということにボクは気絶しそうになった。。。
そんな話を実際にお聞きし、もっともっと他にも貴重なお話をたくさん聞くことが出来ましたが、それは企業秘密。。。だって、奥さまと二人分の旅費すごいんだもん。。。せこいけど。

d0073690_23343785.jpgさてさて、そんなさわや書店の売場ですが当然のごとく面白い。
平積みされている本にその特徴がよく出ており、全国の100坪~300坪クラスの書店のメイン平台に積まれているような本はあまりなく、反対にあまり平積みされていない本ばかりが目立つ。

どれもこれもよく売れている様子で、確かに面白いと口コミで少し話題になっている、「任侠学園」(実業之日本社)や、「烏金」(光文社)が山のように積んでありどれも何十冊という単位で売れているらしい。今野敏は有名だけど決して超メジャー級じゃないと思うし(ボクは警視庁強行犯係・樋口顕シリーズしか読んだことがなかった)、西条奈加はまだ3作目だし、やはり20冊も30冊も平積みするタイプの作家ではないと思うのですよ。結構色々な書店を見に行っているつもりですが、やっぱりさわや書店の平台は他の書店と明らかに違うのです。書店員が読んで面白かった本をしっかりと紹介しているのが伝わる平台なのですね。

d0073690_2352529.jpg文庫売場の平台にも手書きのPOPがしっかりと付いていて、どれを見ても読んだ人の言葉で書かれている。ちなみにここの担当者さんは、「思考の整理学」(筑摩文庫)の帯を書いている松本さんです。そして、メイン平台と同様に他店とは違った本が平積みされている。
棚は入口に一番近いところが岩波文庫で、そのほかは著者別とジャンル別。ジャンルは「医師が書いたエッセイ」や「旅と放浪」などかなり細かい。著者別の棚を見ていくと、一覧表のランク外商品もたくさん入っていることに気が付く。あえて入れているのだ。これは。

その他、ノンフィクションやエッセイなども大変充実していてテーマも面白い。
ボクが一番興味深かったテーマは、「地方を殺すな!」(洋泉社)や「大型店とまちづくり」(岩波新書)などを中心本として構成されていた棚だ。これは今後ますます注目されるであろう、いやされるべきテーマだ。


キリがないのでこの辺にしておくが、とにかくさわや書店はすごい。すごい。イヤまじで。

そう、さわや書店は、「書店員の魂宿る本屋」だ。

そして、その魂宿る書店を見てボクの書店員としての人生観は大きく変わった。
自店に帰りボクは早速さわや書店で学んできたことを実践している。
そして、ひたすら本を読んでいるのだ。
何よりも嬉しいのが、さわや書店での興奮をボクの愛弟子に話したところ、彼も何かを感じ取ってくれたようで、今までにないペースでひたすら静かに本を読んでいることだ。これは嬉しい。
さぁ、もう一度仕切りなおしだ。
いくぞ。


今回お世話になったさわや書店本店店長・伊藤さん、松本さん、そしてフェザン店(近々予定)田口さん、本当にありがとうございました。

そして、毎度のことですが興奮するととりちらかってしまい読みにくくてすみません。

さわや書店本店
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by pilotfish73 | 2007-11-07 23:43 | 本屋回遊記


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