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袋小路の男

d0073690_23285880.jpg最近、わけあって遠出することが出来ない(嬉しいわけ有なんだけどね)。全国にはまだまだ見たい書店、会いたい人たちがたくさんいるのだが、来年の春までは少し我慢なのです。でも、そのぶん浜松に来られた版元さんや浜松の書店人とお酒を飲みながら色々と話す機会を設けて楽しんでいます。。。

#17 袋小路の男
講談社 絲山秋子

写真は前のお店ですが、転勤後にも早速仕掛けております。
そのさりげない言い回しに、一発でやられました。絲山秋子の「袋小路の男」です。
前のお店では、3ヶ月で80冊を販売したところで転勤になりました。
今のお店にもやっと慣れてきて、少しずつ自分の色を出し始めました。そして始めたのが大好きなプチ仕掛けです。前のお店で本当は100冊販売するぞ!!と意気込んでいたのにその結果を見届けられなかったので、今のお店で50冊からスタートです。

ボクは、川端康成という作家がとにかく好きなのですが、この絲山さんの書く文章のさり気無さとチョイスする日本語の美しさは、なんだか川端康成に少しだけ似ているなぁ、と思うのです。

表題作の「袋小路の男」では、指一本触れないまま一人を思い続けた12年間の静かで力強い愛情に共感し、「アーリオ オーリオ」では、ボクがとにかく一番この本で気に入った、姪が叔父に宛て書いた手紙の、

流れ星は音がしますか?
それと、すごく早いですか?

という一節がある。
あぁ、なんて素敵な感覚を持ち合わせている作家なんだろうと思わずにはいられませんでした。

まぁ、人の琴線に触れる言葉というのはそれぞれ違うもので、何がその人にとってぐっとくるかは人それぞれだと思いますが、ボクはこの絲山さんの文章のリズム、選ぶ言葉がとても好きなのです。本当は、この本で芥川賞をとってほしかったなぁ、と思います。他の本もとても気に入っていますが。。。

最前線で、自分が本当に素敵だと思える本を一人でも多くの人の手に届けることが、
書店人である自分の大きな役割の一つだと考えているので、この本を一人でも多くの人の手に届けたい。
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by pilotfish73 | 2008-10-11 00:12 | 仕掛けどうでしょう。