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BOOKアマノ三方原店

BOOKアマノ三方原店_d0073690_2022843.jpg気が付いたら、昨年7月の精文館領家店以来の浜松の本屋さんだった。イカンイカン。浜松にいるお休みは毎週のように、どこかしらの本屋さんに行くのだけど、まさか本屋回遊記でこんなにも浜松の本屋さんをあげていなかったなんてxxx。

#74 BOOKアマノ三方原店
静岡25 浜松19
静岡県浜松市北区三方原町1950−1
053-420-1711


ここ最近、浜松市内でもあまり本屋さんを見に行くという目的で書店へ行っていなかった。書店に足を運ぶ当然の目的である、本を探しに行くという点でしか本屋さんへ行っておらず、書店人として競合他店を見て勉強するという意識に欠いていた。そんな意味合いからも、今回は久しぶりに昔の感覚を思い出し、そうそうこんな小さなこと一つとっても自店に活かそうとしていたよな昔は、と大切なことを思い出させてもらった気がする。

本日はちょっとした用事があり、凄く久しぶりに引佐にある井伊谷宮へ行った。井伊谷宮へ向かう途中、BOOKアマノ三方原店を通過したが、そういえば本屋回遊記でこの店舗はまだあげていなかったなぁ・・・、と思い奥様に「帰りに寄るのだ」と宣言。

さてさて、BOOKアマノ三方原店である。

おぉ。素晴らしいー。
BOOKアマノの店舗で統一して優れている点は、とにかく掃除が行き届いていることだ。
このBOOKアマノ三方原店は中央の文庫棚が結構低く、天板がボク(身長176cm)の目線より下にある。つまり棚の上が全て見えるわけだが、この棚の上には埃一つない。そして、平台の本にも全く埃がかぶっていない。本当にキレイなのだ。そのせいか、店舗内の空気も澄んでいる気がする。これはしっかりとルーチンワークとして、店内全ての棚を毎日掃除する仕組みが出来ているからだろう。「掃除やっといて」では、この売場は保てないはずだ。。。

クリンリネスレベルにおぉぅ、と唸りつつ売場をぐるりと見て回る。
文庫の平台商材をいくつか手に取るが、センスがよいと感じる(完全ボク視点)。売れている銘柄はしっかりと平積みされ、話題になりつつあるもの、口コミで広まっているものなども揃っている。ボクが次に自店で平積み展開しようかなって思っていたものもすでに平積みになっていて、あぁ、先越されたxxx、と思ったものもあった。

ただ、陳列方法として1点馴染めないものがあった。
ここの棚差し方法は、全てレジを中心にしているようだ。
例えば、文庫の棚で新潮文庫や文春の棚は、
レジを右手に右から左に進む。巻数物だと、右手から1巻、2巻と進む。
その棚の裏手は反対に、
レジを左手に左から右に進む。巻数物だと、左手から1巻、2巻と進む。
つまり棚の裏と表で、目線を動かす方向が変わるのである。
コレは、うまく馴染むことが出来なかった。

全体的に品揃えは店舗の規模に応じたレベルであり、突出した箇所、商品展開は見当たらなかったが、とにかくどこの棚を見ても整理整頓が行き届いており、見やすい。そして、商品自体がきれい。最近の書店で、このレベルで商材を含めたクリンリネスレベルを保っている書店はほとんどないと思われる。
コレは、うちのスタッフにも参考に見学に行ってもらいたい。
そして、同時にボクはそのレベルを保つための掃除の仕組みづくりに取り掛からなければ。。。

小売店としての掃除の大切さを、同業の本屋さんで自分の目で見て実感できたことが大きな収穫だった。やはり、同じ浜松市内の本屋さんでも、勉強になるところはたくさんあるなぁ。


BOOKアマノ三方原店
# by pilotfish73 | 2008-03-04 22:20 | 本屋回遊記

2月に読んだ本

イカン!このままでは、からすやま読了記になってしまう。
しかし、未だ正月休みも消化できず、旅行の計画は先へ先へ・・・。
あ~ぁ、本屋さんへ行きたいのだ。

 1 U.W.F 最強の真実/宮戸優光(講談社)
 2 書肆アクセスという本屋があった/(『書肆アクセスの本』をつくる会)
 3 隠蔽操作/今野敏(新潮社)
 4 イグアナの嫁/細川貂々(幻冬舎)
 5 書店員の小出版社巡礼記/小島清孝(メディアパル)
 6 闇の目 下っ引夏兵衛/鈴木英治(講談社)
 7 帰宅の時代/林望(新潮社)
 8 刹那の街角/香納諒一(角川書店)
 9 映画篇/金城一紀(集英社)
10 赤朽葉家の伝説/桜庭一樹(東京創元社)
11 有頂天家族/森見登美彦(幻冬舎)
12 私の男/桜庭一樹(文藝春秋)
13 八日目の蝉/角田光代(中央公論新社)
14 カシオペアの丘で(上)/重松清(講談社)
15 カシオペアの丘で(下)/重松清(講談社)
16 鹿男あをによし/万城目学(幻冬舎)
17 ゴールデンスランバー/伊坂幸太郎(新潮社)

いやぁ、今月ははっきり言ってつらかったぁ。
本屋大賞の課題読書が・・・。
だって、あまり得意ではない作家さんの作品多いんだもん。
世間では、結構人気だったり、大きな賞とったりと、今旬な作家さんだけど
実はボクは苦手だったりするんだなぁxxx。
好きになれないと知っていて読むのは、非常に酷ですなぁ。

そんなわけで、20冊越え出来ず。



本屋回遊記を見捨てないで下さいね。。。
# by pilotfish73 | 2008-03-01 22:31 | 雑記

八重洲ブックセンター本店

八重洲ブックセンター本店_d0073690_20584766.jpg知人の結婚式で久しぶりの東京。前日、18:30過ぎに結婚式終了。おぅ、予想より30分以上遅いxxx。焦りながらも、向かった先は本屋回遊記#50で訪れたJ STYLE BOOKS。外苑前の駅から走って何とか8時15分前にギリギリ到着。ふぅ。そこで、久しぶりに店主大久保さんにお会いし、色々と業界のお話や書店の在り方など意見を交わした。久しぶりに見たJ STYLE BOOKSだが、相変わらず素敵なお店だ。いやぁ、間に合って本当によかった。。。

ところで、今回は事前の予定とは違う八重洲ブックセンター本店へ行ってきた。

#73 八重洲ブックセンター本店
東京14
東京都中央区八重洲2-5-1
03-3281-1811

そう、本当は八重洲ブックセンター本店へ行く予定ではなかった。。。
前日は半蔵門のホテルに一泊し、翌日は東京に住んでいた頃通っていた本屋さん巡りの予定だったのだが・・・・。アンビリーバボゥ。朝起きて、外を見たらこれだxxx。

八重洲ブックセンター本店_d0073690_2244893.jpg雪。雪。吹雪。ふ・ぶ・きっ!
出歩くのは無理。
あ~、もう何でこうなるかなぁxx。

というわけで、急遽予定を変更。
帰りの新幹線のことも考慮して行き先を八重洲ブックセンター本店へ。
ここも東京に住んでいた頃によく訪れた書店だ。
吹雪の中、いざ八重洲ブックセンター本店へ。

書店員になってから初めての八重洲ブックセンター本店。
いやぁ、懐かしいなぁ・・・。
良く利用していた頃、訪れるといつも2時間くらい滞在していた1階からスタート。
なんだか、当時の印象よりも凄く狭い気がする。当時はなんて大きな書店なのだ!と思っていたが、久しぶりだと意外に通路も狭く、総合的には大きな書店だが、各階ごとはそんなに広くないのだなと感じた。まぁ、それでも品揃えは地方書店と比較すると歴然の差だ。
入口では、この本屋回遊記もブログ(私的なことがらを記録しよう!!12・30)でご紹介いただいた(ありがとうございました!)、今や時の人となりつつある、勝間さんコーナー。勝間さんの本は当店でもとてもよく売れます!!

中に入ると、中二階の喫茶店直下にあたる壁面平台で大きな江戸フェア!
江戸の本をコレでもかっ、というほど集めてフェアを行っている。いやぁ、地元の本が東京って商材選定に困らなくていいなぁ・・・。あっ、反対に多すぎて困るのか?
浜松は、地元フェアやりたくてもあまりないんだよなぁxxx。

小説コーナーは昔と変わらずしっかり、ミステリー・現代作家・時代小説・海外作家とわかれていて、品揃えもなかなか。昔から思っていたのだが、ここの時代小説の棚は司馬遼太郎の関ヶ原なんかが普通にハードカバーであって不思議。今でも売れるってことなのかなぁ。
今は静かに警察小説と時代小説がブームだけど、八重洲ブックセンター本店の時代小説コーナーはなかなか見ごたえがありました。山本一力のコーナーなんかは、文庫も一緒に置いてあり、あっ、丁寧な棚だなと思った。

八重洲ブックセンター本店_d0073690_22502323.jpg結局1階だけで2時間弱。

ここで一旦中二階の喫茶店で休憩。。。
奥様とその後の計画をたてる。

ボクは、2F(ビジネス)・4F(人文社会・歴史)・5F(文庫新書)だけを集中的に見ることにし、奥さまは1F(実用、趣味など)から4F、5Fへ移動するとのこと。

早速2Fのビジネスを見るも、期待するほど面白味は見つからない。
う~ん、量は十分なのになぜか面白いと感じられない。なぜだ?
気を取り直して4Fへと進む。
ここは、単品で面白い本をいくつか見つけることが出来たのだが、棚の構成としては疑問。
目がうまく流れない。同じカテゴリと思われる本が点在しておりうまく機能していない気がする。こんなに良い本を仕入れているのにもったいないなぁと思う。自分ならここの棚をどのように使うかシュミレーションしてみるが、あまりうまくまとまらない。結構使いにくそうなレイアウトだなぁと感じる。現場の書店員さんたちもそんな感じなのかな。。。
でも、面白そうな本をいくつか見つけたのでとりあえず購入し、5Fへ。

ここで奥さまと合流し、5F(文庫新書)へ。
いやぁ、文庫新書だけで1フロア使えるなんていいなぁ・・・。
でも、ぐるっと見て回ると・・・、いやぁ全体的に文庫側はキレイじゃないなぁxxx。残念。
ある出版社の本はほとんどが焼けていたり、痛んでいたりと状態が大変悪い。
イベント平台はほとんどが出版社企画のフェアで面白味もない。
あれ、八重洲ブックセンターの文庫売場昔好きだった気がしたのに・・・、記憶間違いか?
それでも、何点かしっかりと独自のPOPが付いていて面白そうな本を見つけたので購入。

結局アレコレ言っても、気が付けばあっという間に6時間。
久しぶりの八重洲ブックセンター本店で嬉しかったのと、自分の記憶との差にちょっとがっかりなのと複雑な感じでしたが、やっぱり昔素人の自分が通っていた書店を、プロの書店員となった今の自分が見るのは見え方が全然違って面白い。
次回こそは、東京かつて通った本屋さんを巡るツアーを決行するぞ。

八重洲ブックセンター本店_d0073690_2240288.jpgあっ、そういえば前日宿泊したホテルから駅へ向かう道で、文藝春秋の本社前を通ったので思わずパチリ。
・・・と偶然を装っているが、本当はそこに文藝春秋本社があるのを知っていて、奥様に「文春の前通りたいからちょっと遠回りしたい!」とお願いしたのだ。
そんな文藝春秋様ですが、先日久しぶりに発注の注文TELをした際、あまりに横柄なその電話応対にがっかりした。日本を代表する大手出版社さんなんだから、しっかり!
って、なんのこっちゃ。
# by pilotfish73 | 2008-02-08 22:41 | 本屋回遊記

1月に読んだ本

う~ん、なかなか回遊記が進まないですが、
相変わらず本屋さん巡りはしております。
2月こそは、さくさくっと記事をあげたいです。。。

 1 紐と十字架/イアン・ランキン(早川書房)
 2 読書力/斉藤孝(岩波書店)
 3 本を読まなくても生きていけますか?/久利生たか子(グラフ社)
 4 恥ずかしい読書/永江朗(ポプラ社)
 5 国境事変/誉田哲也(中央公論新社)
 6 永遠のゼロ/百田尚樹(大田出版)
 7 未来予知ノート/ジュセリーノ(ソフトバンクパブリッシング)
 8 本棚/ヒヨコ舎編(アスペクト)
 9 年収崩壊/森永卓郎(角川書店)
10 ネットカフェ難民/川崎昌平(幻冬舎)
11 儚月/今井絵美子(徳間書店)
12 ジャージの二人/長嶋有(集英社)
13 銀行籠城/新堂冬樹(幻冬舎)
14 四万十川/笹山久三(河出書房新社)
15 「松本」の「遺書」/松本人志(朝日新聞社)
16 会社の品格/小笹芳央(幻冬舎)
17 会社がイヤになった/菊入みゆき(光文社)
18 本は10冊同時に読め!/成毛眞(三笠書房)
19 自分がいなくてもまわるチームをつくろう!/山口正人・豊田圭一(明日香出版)
20 虹色ほたる/川口雅幸(アルファポリス)
21 悪夢のエレベーター/木下半太(幻冬舎)
22 イニシエーションラブ/乾くるみ(文芸春秋)

おぉ、22冊。
20冊突破してた・・・。新書やビジネス書が多かったからかなぁ。

からすやまの、1月読了本ベスト3

1月に読んだ本_d0073690_2251644.jpg1 永遠の0 百田尚樹
  大田出版

1年半前の作品ですが、素晴らしかった。
久しぶりに本を読んで涙が出た。
たった、60数年前にあった現実。特攻という悲しき選択。

1月に読んだ本_d0073690_22123596.jpg2 イニシエーションラブ 乾くるみ
  文芸春秋

うーん!!何にも書けないっ!
何を書いてもネタばれになってしまいそうで・・・。
でも、間違いなく面白い。そして本当に2度読みたくなる!

1月に読んだ本_d0073690_22164369.jpg3 虹色ほたる 川口雅幸
  アルファポリス

はっきり言ってアルファポリスという出版社だから、・・・と思っていました。
が、いやぁ素敵な話でした。どうせなら、夏に読みたかった。。。
これは、きっと映画化されると思います。いつか。
# by pilotfish73 | 2008-02-01 22:19 | 雑記

さわや書店フェザン店

さわや書店フェザン店_d0073690_19124865.jpgいやぁ、気が付いたら盛岡へ行ってからすでに2ヶ月が経っていました。帰ってきてからはというと、ひたすら自店の売場再構築と読書と後輩たちとの勉強会であっという間に日々が、そして2007年もが過ぎ去っていました。イカンイカン。というわけで、まぁあの衝撃のさわや書店を忘れるわけもないですが、記憶が薄れないうちに同じさわや書店のフェザン店、UPします。

#72 さわや書店フェザン店
岩手 3
盛岡市盛岡駅前通1−44
019-625-6322

さわや書店本店がどれだけ素晴らしいかは、#70でご紹介したとおりですが、その本店にも引けをとらないのが盛岡駅ビル?(になるのかな)にある、さわや書店フェザン店。ここもね、すごい。何が凄いって、その提案力と本を通して文化貢献する、という気概が売場からビシバシと伝わるその姿勢だ。

L字型の店内は、お客さんの入りも凄い。
そして、平台には当たり前のようにマイナーな本が全国でのベストセラー本と同じように平積みされている。これは、さわや書店本店で見た姿と同じだ。しかし、並んでいる本が全て同じなわけではない。何点かは同じマイナーな本を平積みしているが、いくつかはどちらか一方でのみ平積みされている本だ。つまり、情報はしっかりチェーン店として共有されているが、常に新しいものを各店担当者が見つけて先行販売し、結果が出たら情報を共有するというやり方が容易に想像できる。
理想的だ。

ベストセラー本というのは、あえてチェーン店内で情報化する必要などない。
それは、書店員じゃなくても知っている情報だからだ。今なら、「ホームレス中学生」が売れています、などという情報には何の意味もない。同様にメディア化されるものに関しても、早い段階での情報化に意味はあるが、周知の事実となった段階での情報化に意味は無い。と思う。

それよりも、さわや書店のように発掘した本を売る方法を考え、それをチェーン店内でスライドさせる方法を築き上げていくことが、今後の書店業界全体の中におけるチェーン書店の重要な役割ではないだろうか。とボクは思う。

大変乱暴な言い方をすると、書店の役目とは、自己形成に貢献するため読書人を育て、その街の文化レベルを高めることにあると思う。その観点から言うと、画一的な商品展開しか行えていない現在の書店の大半は、その責務を果たしていないといえる。メガブックストアーといえども、そのキャパを利用して多くの本を揃えるているという利点はあるが、提案という点においては物足りなさを感じる。

そこで、このさわや書店フェザン店のあり方を考えると、棚にはしっかりとロングセラーが揃えてあり、ベストセラーも平台にしっかりと置いてある。しかし、それ以上に目立つのが提案商材である。ショッピングセンターの通路に面したイベント台では、郷土本の大型フェアが行われており、地元カルチャー誌の「rakra」バックナンバーフェアや、地元出版社刊行の堅めの本がずらりと並んでいる。しかもこれが自己満足で終わっているわけではなく、驚くほど多くのお客さんが手に取っているのだ。

さわや書店フェザン店_d0073690_21103987.jpgさわや書店フェザン店_d0073690_21105578.jpg店内に入って文庫平台を覗くと、これまた知らない本がガンガン積んである。
時代小説に相当力が入っているようで、有名無名は関係なく、コチラの担当者さん田口さんが実際に読んで面白かった本なら迷わず積むというスタンスのようだ。この日、実際に田口さんと20分程度お話をさせていただいたが、本について語るときのその本に対する想いと、良書であればどんなに無名な作家の本でも必ず売る、という漲る自信に圧倒された。いやぁ、やはり全国には魅力的な書店人がたくさんいるのだなぁ、と実感しボクも負けないようがんばらないとと改めて思いました。

それにしても、さわや書店というのは、なぜコレほどまでに書店人魂が宿った本屋を出来るのか・・・。

本店店長の伊藤さんがおっしゃっていたように、やはり書店員がまず本をよく読んで、お客さんに読んで欲しいという本をたくさんストックしていること、そして自店をどのような書店にしたいかという理想像をしっかりと描いていることが重要なのではないか。

我々も盛岡さわや書店に負けないよう、魂宿る書店めざし、今、毎月後輩たちと勉強会をスタートした。切磋琢磨し理想像を共有し、意義ある書店にするため飽くなき挑戦を続けるのだ。

さわや書店フェザン店
# by pilotfish73 | 2008-01-08 22:04 | 本屋回遊記